2020年クリスマス、オンライン「ライブ」クッキングワークショップ。

吉祥寺&ロンドン、スティーブとカレンの「ブリティッシュキッチン」

2020年12月27日、ZOOMで「ライブ」クッキングワークショップを行いました。人と自由に触れ合うことがままならなかった2020年の終わりを何かの方法で生徒たちとシェアしたかったのです。

1部では 吉祥寺のエイトリアムキッチンから、「実演参加」生徒と「見るだけ」参加の生徒たちを交えて①シンプル「カスタード」作り  ②クリスマスプディングに火をつけてアルコールを注ぐ~までを。2部ではロンドン在住のカレンファミリーが朝早いロンドンからエイトリアムの生徒たちにご挨拶。ミンスパイとモルドーワインを作ってくれました。吉祥寺と、生徒宅と、ロンドンを結んでの初めてのオンライン「ライブ」イベント。予想たがわぬハプニングに見舞われながらも、笑顔で2020年を締めくくることができました。
*イベントの動画をご覧いただけます

エイトリアム クリスマスイベント

モニターの向こうに、実演参加生徒達7組とその様子を見るだけ参加の生徒達が!

<1部> 5pm~
「カスタードを作ろう!」
カスタード(custardとは、卵・牛乳・砂糖を混ぜて作るクリーミーなソースのこと。フランスではクレム・アングレ(creme anglais)=イギリスのクリームとも言います。ケーキやフルーツにかけて食べたり、そのままでも美味しいデザートです。
<実演内容>
卵の黄身(yolk)だけを混ぜ合わせ、ミルクと一緒にとろみがつくまで温めます。ちょっとコツが要りますが、とっても簡単。

「プディングに火をつけよう!」

イギリスでプディングと言えば、「steamed=蒸した」食べ物のこと。元々はパン屑や小麦粉、卵などの残り物で作られたヴァイキング時代の船上保存食でした。その後、ハノーヴァ朝、ドイツ系のジョージ1世がイングランドで初めてのクリスマスを迎えた1714年に食した濃厚な葡萄入プディングが人々の間で流行し、1836年になるとクリスマスプディングと言う名で呼ばれるようになったそうです。プラムプディングとも言います。
<実演内容>市販のプディングをレンジでチン。フライパンでアルコールを燃やして、そのままプディングに注ぎます。プディングから青い炎が立ち上がり、やがて消えるとそれをお皿に取り分けて、熱いカスタードをかけて頂きます。

卵とミルクさえあれば簡単に作れるカスタード。プディングが燃えたアルコールを浴びて、青い炎が立ち上がれば、誰もが拍手!

<2部> 6pm~
「Hi from London
ロンドン在住のカレンとそのファミリーのキッチンを訪問。市販のミンスミートで作る簡単ミンスパイと、寒い日に身体も心も温まるカレン宅のモルドーワイン作りを紹介してくれました。

余談ですが‥イギリス小説に登場するクリスマスプディング

「クリスマスキャロル」ではチャールズディケンズが。「クリスマスプディングの冒険」ではアガサクリスティーが、プディングを思い入れたっぷりに描いている。プディングと共に名作も味わって。

A Christmas Carol クリスマスキャロル
Charles Dickens (1812-1870)
Hello! A great deal of steam! The pudding was out of the copper. A smell like a washing-day! That was the cloth.A smell like an eating-house and a pastrycook’s next door to each other, with a laundress’s next door to that! That was the pudding! In half a minute Mrs. Cratchit entered—flushed, but smiling proudly—with the pudding, like a speckled cannon-ball,so hard and firm, blazing in half of half-a-quartern of ignited brandy, and bedight with Christmas holly stuck into the top.
パット立ち上がる蒸気!プディングは蒸釜から取り出された。洗濯屋のようなにおいがする。それは布巾だ。料理屋とお菓子屋が並んでいる隣に洗濯屋が控えているような匂い!それがプディングだった。一分とたたないうちにクラチット夫人はプディングをささげ、上気した顔を誇らしげににこにこさせながら入って来た。固くしっかりしていて点々のある弾丸のようなプディング、4分の1パイントの半分のそのまた半分のブランディはぽっぽっと燃えている。そしててっぺんにはクリスマスのヒイラギがさしてあった。おお、素晴らしいプディングだ!

Charles Dickens “Christmas Carol”

The Adventure of the Christmas Pudding クリスマスプディングの冒険
Agatha Christie (1890-1976)
On a silver dish the Christmas pudding reposed in its glory. A large football of a pudding, a piece of holly stuck in it like a triumphant flag and glorious flames of blue and red rising round it.  There was a cheer and cries of ‘Ooh-ah.’”
銀盆の上にはクリスマスプディングが、その偉容を輝かせておさまっていた。大きなフットボールのような形をしたプディングで、ヒイラギが一枝、優勝旗のようにその上にさしてあり、青と赤の輝かしい炎がそのまわりから舞い上がっていた。「おおっ」という歓呼の声が起きた。

Agatha Christie “The Adventure of the Christmas Pudding”

 

 

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