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2006年11月

CHAV

変わるイギリスとCHAV現象

chav(チャヴ)という言葉がTVで、新聞で、最も使われたのは、イギリス社会がその存在を好ましからぬ視線で認識し始めた2004年のことである。一種のサブカルチャーにおける典型的なスタイルを持つ人々を差して言う。公営住宅に住むような労働者階級で、高等な教育を受けずして好調なイギリス経済の恩恵でショッピングに費やす程度の金には困らなくなり、ブランド物に身を包むようになった人々。あまりに特徴的なそのスタイルから多くのTVコメディなどのネタになることもしばしばである。

chavのいでたちと傾向
デビッド&ヴィクトリアベッカムはKing & Queen of Chavと言われている、と言ったらその容姿のイメージが浮かぶだろうか?ブランドものが大好き。派手なジュエリー、主に金色のチェーンやペンダントなどを身に付け、フード付きのジャージやスウェットパンツ、白のトレーナー(スニーカー)、ベースボールやバスケットボールのキャップなど、ブランドのスポーツウェアを好むが、多くはスポーツに勤しんでいるわけではない。話題と言えばchav仲間の話、芸能人のゴシップ、ショッピングのことなど。アメリカのヒップホップ文化への傾倒も特徴的だ。chavは子供たちにイギリス的な名前をつけない。ベッカムの子供がロメオ、ブルックリンというのが良い例だ。

ブランドの危機感
このchavが身に付けることによってブランドが被るイメージへの打撃は大きい。日本でも人気の高いburberryやfred perryは最初に名前の上がるイギリスのchavブランドで、ここ数年そのイメージを嫌うイギリス人に敬遠されてきた。これらのブランドを着ている人々を締め出すパブやショッピングセンターもあるくらいである。危機感をつのらせたburberryはイメージの奪還をかけて、タータンチェックを控えめに配したり、モデルにアカデミー女優を起用したりと苦心の程がうかがえる。

風刺ネタにされるchavカルチャーだが
ファッションブランドはかつてのMods(モッズ)や、Punk(パンク)などのようにサブカルチャーに取り込まれることによって、または作為的にサブカルチャーを生むことによって流行を生むが、chavの世界には何一つ斬新なスタイルも主張もなく、ブランド品をテイストなく装着するだけのスタイルがある。「何もクリエイトしない」chavカルチャーは風刺画やコメディネタにされるのがせいぜいといったところか。

が、chavを擁護するこんな声もある。「ある人々はアルマーニを着てBMWに乗る。chavはバーバリーのキャップをかぶってフォードに乗る。裕福になったことでブランドに手を出す両者の心理にどんな違いがあるのかと・・・。サッチャー政権以来、消費することを美徳とし教え込まれて至った当然の結果ではないかと・・・。」

snobism(スノビズム)の巻き返し
chavを学術的に研究するある専門家は、その存在を階級制度回帰の現象に結びつける。かつては下の階級が上の階級を手本にした時代があった。60年?70年代の不況の時代に世の風潮は逆転し、ストリートからの破壊的なパワーが上流階級的なものは「古くてダサい」と、価値観を一新した。そして今、空前の好景気と共に、snobism(上流を気取った主義)の巻き返しが起こりつつあるのだという。

取り残された人々がお金を手にした結果
chavと呼ばれる人々は80年代から存在していたが当時彼らは今ほどに金を持っていなかった。彼らが下層階級に落ちこぼれていったのではなく、景気の快復と共に高学歴を持った人々が上へのし上がっていき裕福になった結果取り残されてしまったのである。ステイタスを手にした人々は「taste=品、趣」という言葉を口にするようになる。そのtasteこそが、突然遊ぶ程度の金を手にしたにすぎないchavが持ち得ないものであり、ブランド品を身にまとうほどに人々の目に滑稽と見られるのである。

けれどイギリス的な習慣に生きる人々
このあまりにイギリス的でないいでたちの人々が横行するのはイギリス人にとって恥ずかしい思いを誘うのかもしれない。がしかし、chavこそ家では濃い紅茶を飲み、ビーンス・オン・トーストを食べる最もイギリス的な習慣に生きている人々なのかもしれないのだが。